石垣に生える青々とした苔が神秘的、埼玉県秩父市「茶平集落」

埼玉県秩父市の浦山地区に多数ある集落跡地。

浦山ダムの周りには人のいなくなった集落跡地、いわゆる廃集落が8箇所程度存在しています。山の中に位置するため高齢化に伴う過疎化から、住民たちは山を降り、その結果廃集落となった場所がほとんどのようです。

県道73号線を走行していると、獅子舞の口に吸い込まれるような迫力あるデザインの寄国土トンネルが姿をあらわします。

この寄国土トンネルは浦山ダムの建設に伴い、迂回路として建設されたトンネルです。寄国土というのは、浦山ダムの底にはダムの建設によって水没した集落が存在し、その集落の名前にもなっています。

また、ここ浦山地区は「獅子の里」と言われ、浦山大日堂(昌安寺)の縁日に獅子舞が舞われています。そのため近辺の集落では獅子舞のイラストやオブジェクトなどを目にする機会があります。

そんな寄国土トンネルを抜けると、すぐ左側に林道茶平線の起点があり、ここから坂道を登っていくと今回の目的地である「茶平集落」に到着します。


緑色の苔が生えた石。
立派な石垣の上に佇む廃屋が姿をあらわしました。


石垣は青々とした苔で包まれています。

時が止まった空間に入り込んだと思った瞬間です。
いろいろ探索してみます。


冷蔵庫と三ツ矢サイダーのケースに入ったビン。

家の中はご覧の通り、荒れておりました。

 縁側に放り出された雑誌類。


足元にはオレンジジュースの空き缶が転がっていました。
飲み口がこのタイプの缶は今では見なくなりました。

色々な廃墟サイトで見かけたことのあった掃除機。
この掃除機を見つけたとき、有名人に出会えた、そんな感覚になりました。


色の褪せたダルマさん。

三輪車。

別の家も見てみましょう。


昔ながらの日本家屋といった佇まい。


ハンドル付き洗濯機がありました。
ハンドルを回して洗濯の終わった服を脱水するんですよね。


縁側に放り出されたタンス。
その引き出しには年賀状などの手紙類が残されたままになっていました。


最後にもう一軒。

玄関に貼られた会員マーク。
昔の家にはこの類のプレートやシールが貼ってあるのをよく見かけます。

錆びて傾く郵便受け。

廣貫堂の薬箱。
年代モノ発見です。

廣貫堂の薬箱は色々な種類があるそうで、アンティークとしてコレクションしている方が多いのだとか。調べてみたところ写真の薬箱は“昭和30年代”頃に作られたもののようです。

さらに、この家には面白いものがありました。
それは、なんと…。


壱万円札。

が描かれた湯のみでした…!
さすがに本物ではありません。

きっと誰かが立てて置いたのでしょう。
石けん類のボトルなどが散乱している縁側にポツンと立っている姿を見つけたときには笑ってしまいました。

集落跡を探索していると、当時の集落の様子やそこで生活していた方々の歴史が見えてくるだけではなく、時には懐かしさを感じるモノに出会えたり、面白さや驚きのあるユニークなモノを発見できたりと、新たな発見につながる場面に遭遇します。

“廃”的な美しさを見つけるだけでなく、そういった新たな発見ができるのも、集落跡を探索するまた一つの楽しみになっています。

(探索日:2017年)

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